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企業の声

まちなかでデジタル人材の育成と集積を!

新聞販売の「株式会社江﨑新聞店」、折込チラシ事業の「株式会社静岡オリコミ」、アミューズメント事業の「静活株式会社」からなる江﨑グループは、創業より静岡のカルチャーを支えてきました。

昨今では、複合施設「ARTIE(アルティエ)」の開設をはじめ、食品事業者と提携した配食の事業や、生活支援事業などさまざまな新規事業に挑戦しています。

さらにこの2025年1月より、動画やWeb制作、グラフィックデザインなどを包括的に学べる社会人向けスクール「デジタルハリウッドSTUDIO静岡」を開校し、静岡のデジタル人材の育成に取り組みます。

なぜデジタル産業の普及に取り組むのでしょうか?

株式会社江﨑新聞店、株式会社静岡オリコミ代表取締役専務の江﨑亮介様に伺いました。

デジタル人材が静岡を活性化する

「デジタルハリウッド」と聞くと、東京の御茶ノ水にある「デジタルハリウッド大学」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

デジタルハリウッド株式会社が運営するこの大学では、デザインやアニメ制作、アプリ開発などのデジタル分野を専門的に学べる環境が整っており、数多くのクリエイターを輩出しています。

同社が全国各地で展開する別の事業として「デジタルハリウッドSTUDIO」があり、私たちのような地方の会社と連携して社会人向けの人材育成を行っています。地方で入校される方の多くは子育てをしながら働きたい女性の方々で、動画やWeb制作、グラフィックデザインなど在宅でも働くことができるスキルを身に着けることができるスクールとなっています。

株式会社静岡オリコミとして、デジタル事業への進出を目指す想いは以前からありました。

その背景には、昨今の新聞発行部数の減少があります。これまで折込チラシを中心に事業を展開してきましたが、今後も同じ手法だけでは事業を維持することは厳しいと感じ、デジタルを活用した広告やエンタテインメント分野への進出を検討してきました。

しかし、デジタル分野への取組を一気に進めることが難しく、会社の風土そのものが変わる必要があると感じるようになりました。

社内でもデジタルの知識を持った人材が増えていってほしいという想いもあります。

また、フリーランスとして働くママさんや在宅ワーカーの方とのつながりを強化すれば、雇用形態にとらわれず、デジタル人材と柔軟に協働できる可能性が広がると考えています。

デジタルハリウッドSTUDIO静岡外観
デジタルハリウッドSTUDIO静岡外観
デジタルハリウッドSTUDIO静岡内観
デジタルハリウッドSTUDIO静岡内観
デジタルハリウッドSTUDIO静岡内観

デザインやアートの可能性

「デジタルハリウッドSTUDIO静岡」の開設を志したもう一つの理由として、エンタテインメントで街を盛り上げようというコンセプトでオープンした七間町の複合施設「ARTIE(アルティエ)」の存在があります。これを機にまちづくりの一環として、中心市街地にデザイナーが集まるようにすることで、街を盛り上げていきたいと考えるようになりました。

社内のデジタル人材に関する課題と、エンタテインメントによって街を活性化したいという想いの2つが、「デジタルハリウッドSTUDIO静岡」設立を含めたオフィスビルを一新する原動力となりました。

改修後の本社ビルでは、もともとバラバラだった江﨑新聞店、静活、静岡オリコミのオフィスを一体化し、そしてラウンジ内にスクールを設けました。このラウンジが、ビルの利用者とスクールの方々、デジタル事業に関わる方々の交流の場になることを目指しています。

ARTIE正面ガーデンスペース
ARTIE正面ガーデンスペース

行政との協定締結による事業の加速

弊社はデジタルエンタテインメントに関して、令和6年10月に静岡市と連携協定を締結しました。その根底には弊社の「デジタル人材を集積させる」という目標と、静岡市の課題がマッチしたことがあります。

静岡市は、デジタル人材や関連企業が他の都市と比べて少ないという課題を抱えています。デジタル人材の不足はDXの推進や企業誘致のネックになることもあるため、早急な対応が求められています。

そのような経緯もあり、弊社が新たな取り組みを始めるにあたって、静岡市の方にはさまざまなサポートをしていただきました。

たとえば、弊社の取り組みを静岡市が取り上げてくださったことで、多くのメディアが注目してくださいました。
さらに、オフィスを集約して新たに人を雇用するという点で、オフィス減税などの紹介をいただき、税制優遇を受けることができました。

もし市外から新たに進出される方がいれば、大きな支援が受けられると聞いています。現在、ラウンジの上のテナントに少し空きがあるので、ぜひご検討いただければと思います。

行政と連携するメリットは「人の縁」

行政と連携する最大のメリットは「人の縁」だと考えています。

行政の方々は多様な分野や方面への窓口を持っています。その広いネットワークは、新たな事業分野に踏み出すときには大きな支えになります。

私たちも今回、静岡市の方のおかげで、これまで築いてきた人脈とは異なる、新たなつながりが数多く生まれました。

私は、人とのつながりやパートナーシップがなければ、どれほどの資金や優れたアイデアがあっても事業の成長は難しいと考えています。だからこそ、静岡市の協力を通じて新たなつながりを得ることができ、大変ありがたかったです。

静岡市の可能性

人口流出が長らく問題になっている静岡市ですが、政令指定都市でありながら人口が70万人を割り込んでしまっています。

人々が住み続けたいと思える街にするためには、子育てのしやすさや医療の充実といった生活インフラの強化が欠かせませんが、私たちはそれに加えて、「面白い!楽しい!」と感じるエンタテインメントが豊富であることも重要だと思っています。

静岡にしかないエンタテインメントを拡げていきたい、そのための人の賑わいがあるこの街は環境が整っていると感じています。

江﨑グループは、これまでも映画やボウリングを通じて中心市街地の活性化に取り組んできました。今後はさらに「デジタルハリウッドSTUDIO静岡」と「ARTIE」も加わり、これまで以上に街の活性化に貢献し、「エンタテインメントが自然にある街」を目指していきたいと考えています。

現在改修を進めている本社ビルに関しても、1階にはダンススタジオとプリントショップ、2階にはラウンジとスクールが設置され、さらにB型就労支援とeスポーツの施設も完成予定です。これらの施設をARTIEと掛け合わせて、街に人が集まるきっかけを増やしていきます。

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