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企業の声

新たな土地で最先端の鍼灸鍼の工場を!

鍼灸治療用の鍼を製造・販売しているセイリン株式会社。同社の開発した世界初のディスポーザブル(使い捨て)鍼灸鍼は世界30ヵ国以上で愛用されています。

静岡市に本社を構え米国やドイツ、中国、オーストラリアにも事業所を展開している同社は、静岡市内で2023年5月より本社を拡大移転しました。

移転の際、どのようなハードルがあったのでしょうか?
また、ハードルを乗り越えるために静岡市からどのようなサポートがあったのでしょうか?

代表取締役社長の稲葉巧様に伺いました。

きっかけは社屋の老朽化と生産の効率化

最初のきっかけとして、旧本社(清水区袖師)の建物の老朽化があり、地震に対するリスクという点では、旧社屋は、耐震面から継続して使用することが難しくなっていました。

また、旧社屋は海に近い立地にあり、津波に対するリスクも抱えていました。そのため、災害時のリスクを低減できる環境を求めていました。

さらに、生産における課題もありました。

旧社屋で製造した鍼は、そこから少し離れた場所にある清水工場へ運んでから、組み立てや包装、滅菌処理をしていました。つまり、一つの製品に対して、二つの拠点に製造ラインがあったのです。

運送の手間や工数の削減のためにも、生産機能を一か所に集約した工場の新設を考えました。

立地の課題を静岡市のサポートによって解決

従業員のみなさんの通勤を考えると、あまり遠くに移転することはできません。やはり、通勤可能な範囲内の土地である必要がありました。そのため、旧社屋のある清水区内が候補地でした。

しかしながら、清水区という土地は海と山に挟まれており、十分な広さのある土地を確保することが難しい状況でした。それも従業員のみなさんが通勤できる範囲となると、望みは薄いと感じていた中で、何とか現在の新社屋の場所(清水区大内)を候補地としました。

しかし、現在、新社屋が立っている場所は、都市計画法上の「市街化調整区域」です。市街化調整区域では、土地の開発や建物の建築が制限されています。

このような土地に進出ができるよう、静岡市からサポートをいただけたのが、一番大きいことだったと思っています。

弊社が最先端の技術を持ち、地域経済をけん引していく企業であるということを前提に、この土地に立地することが可能となるよう、静岡市からサポートしていただきました。

おそらく、清水区内でこれ以上の土地を見つけることはできないでしょう。行政の方々には非常に感謝しています。

交通の便と温暖な環境が静岡の魅力

東に行けば東京、西に行けば名古屋や大阪など、大都市へのアクセスがしやすいのは静岡の強みだと思います。

弊社は製品の運搬にトラックを使っていますが、バイパスも東名高速道路も近くにあるため、非常に便利です。

過ごしやすさという点では、自然の豊かさも魅力だと思います。海と山に囲まれ、食にも恵まれています。また、非常に温暖な気候で、雪による影響も少なく、暮らしやすい土地だと感じています。

ビジネスでもプライベートでも環境は整っているのではないでしょうか。

従業員の新社屋に対する反応

従業員のみなさんからの新しい社屋の評判も上々です。開放的なオフィスを気に入ってくれているみたいです。

旧社屋は部門ごとが階層で分かれていましたが、同一のフロアに集約されたため、コミュニケーションが円滑になったと感じています。

各部門でも横のつながりが以前よりもよくなったことで、トラブルがあったときにも素早く相談でき、また、隣の部署でどのようなプロジェクトが進んでいるかなど部門間でも状況が把握しやすい環境になったと思います。

思い描く未来の姿

現在、鍼灸治療といえば鍼灸院や接骨院・整骨院、鍼灸整骨院などの専門施設で行われるのが通例です。

ですが今後は、鍼灸治療の効果をもっと広く認めていただき、一般的な病院でも治療の選択肢の一つに位置づけられるようになることを願っています。

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