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コラム

静岡市の産業用地創出の取組について

静岡市では人口減少に歯止めをかけるため、特集① デジタル関連企業の集積に向けてで紹介しているように、若者が魅力に感じる雇用を創出することに取り組んでいます。

これらの「デジタル関連企業の誘致」の取組に加え、企業立地を促進し新しい仕事を生み出していくことや静岡市の強みを生かした産業を集積していくことが重要です。

静岡市は、高速道路や清水港といった広域交通ネットワークが充実しており、家具・精密機械・金属製品・プラモデルなど地域に根付いた「ものづくり産業」の集積を背景に、多様な企業が市内に立地し、その成長とともに発展してきました。

このような製造業・物流業等の企業が、新たに設備投資をして事業規模の拡大を図るためには、その受け皿となる産業用地が必要となります。

そこで、本記事では「産業用地創出の取組」についてご紹介いたします。

静岡市の企業立地の現状

製造業・物流業等の企業が新たな工場等の建設や、老朽化した既存工場の移転・拡張をしようとしても、用地が確保できず生産性を向上したくてもできない企業が存在しており、静岡市ではそうした企業からの相談を多数受け付けています。

しかし、これまでは、市内の産業用地の多くは民間開発によって確保されており、行政による積極的な用地の供給が行われてきませんでした。

その結果、2013~2024年の間の、面積が1ヘクタールを超える企業の立地はわずか7件に留まっています。また企業立地面積の合計でも、県全体が775ヘクタールであるのに対し、静岡市は約43ヘクタール(5.6%)となっています。これは、県全体の製造品出荷額に対して静岡市が占める割合(13.2%)や県全体の人口に対して静岡市が占める割合(18.8%)と比べると低くなっています。

さらに、市街化区域内では住宅と工場等の混在が進み、まとまった規模の産業用地を確保することが困難となっています。

そのため、静岡市では市街化調整区域などにおいて産業用地に適した土地を探索し、積極的に企業に供給する取組を進めているところです。

静岡市の産業用地創出に向けた取組

①市内全域における適地調査の実施

令和5年度に、市街化調整区域を含む市内全域において産業用地に適した土地の調査を実施し、合計70か所以上の候補地の選定を行いました。

この調査では、土地利用に関する法規制や津波・土砂・洪水など災害リスク等から、開発適地を抽出した上で、現在の土地利用状況や上下水道・前面道路の幅員などインフラ整備状況等を調査しました。

調査結果に基づき、令和6年度には、候補地の中でも実際の企業ニーズが高く、法規制や災害リスクが比較的少ない6か所(約19ヘクタール)について、地権者の土地利用意向の調査を行い、「現在の土地利用から産業用地への転換を検討する区域」を設定しました。

現在、(一財)静岡市土地等利活用推進公社と協力して、この区域の開発検討を進めています。

また、令和7年度も別の候補地(5か所、約55ヘクタール)で同様の調査を実施しています。

②(一財)静岡市土地等利活用推進公社と連携した用地開発

近年、静岡市では耕作放棄地などの未利用・低利用地や空き家の増加が続いています。

未利用・低利用地は市内に点在しており、これにより土地の一体的な利用をすることが困難になっています。そのため、未利用・低利用地を集約し、一団の農地や産業用地として有効活用していくことが必要です。また、空き家に関しては、住宅の需要がある一方で空き家の活用は進んでいません。そのため、空き家の情報収集、入居希望者への紹介や売買・賃貸の仲介、所有者から物件を借り上げ入居希望者に転貸するなど、空き家の所有者が安心して物件を売買・賃貸するための取組が必要です。

これらの課題を解決するため、令和6年8月に静岡市は「一般財団法人 静岡市土地等利活用推進公社」を設立しました。岡市は「一般財団法人 静岡市土地等利活用推進公社」を設立しました。

<参考:(一財)静岡市土地等利活用推進公社ホームページ>
https://www.shizuoka-lup.jp

③「産業基盤強化プロジェクトチーム」における課題解決(法規制の緩和・運用の見直し等)

産業用地を生み出す取組と並行し、庁内横断的に企業立地を促進するため、令和6年度から「産業基盤強化プロジェクトチーム(以下、「プロジェクトチーム」)」を設置しています。

プロジェクトチームは、民間からの個別の開発相談案件における土地利用規制上の課題等について、部局の垣根を越えて解決策を検討するとともに、必要に応じて、開発に関連する法規制の緩和や運用の見直しを行っています。

これまでの取組の成果として、令和6年8月には市街化調整区域で物流施設を建設する際の規制緩和を行いました。これは、いわゆる「自己業務用」の施設でないと市街化調整区域での立地が認められないという基準を見直したもので、物流業界の実態を踏まえ、県内でも静岡市が先駆けとして規制緩和を行いました。

④「企業立地総合サポート窓口」における徹底した伴走支援

企業がオフィスの開設や工場等の建設を検討する際、まずオフィス物件や土地を探すところからスタートすることが多いと思います。

しかし、静岡市では市街化区域内にまとまった土地が少なく、企業からの物件・土地探しの問い合わせに対して、市街化調整区域や都市計画区域外の土地をご紹介することも少なくありません。

例えば、市街化調整区域に工場等を建設しようとすると、都市計画法上で開発に制限が設けられており、建設可能な建物が限られています。また、現状が農地である場合には農地法等の規制がかかるなど、工場等の建設が実現するまでに様々な課題を一つ一つ解決していく必要があります。

このため、静岡市では企業立地に関する問い合わせ・相談を一元的に受け付け、立地が実現するまでの各段階(進出先の土地の検討(土地探し)~決定→土地の開発→工場等の建設)において、徹底的な伴走支援を行う「企業立地総合サポート窓口」を設置しています。

物件・土地情報については、静岡市が把握している情報のご提供はもちろん、業界団体等(静岡県宅地建物取引業協会、全日不動産協会静岡県本部、静岡県企業団体中央会)と連携し、企業ニーズに応じた土地情報の提供を依頼する協力体制を構築しています。そのほか、開発における課題の整理、行政手続きにおける関係機関との調整、各種助成制度の申請に向けたサポートなどを行っています。

同窓口は令和5年9月に設置したものですが、それ以前も企業への伴走支援を実施してきており、これまでに市街化調整区域に複数の企業が立地しています。静岡市への新規進出や既存工場等の移転・拡張をご検討される場合は、「企業立地総合サポート窓口」までご気軽にご連絡ください。

<参考:市街化調整区域に工場等を立地した企業様の声>

               

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