テクバン株式会社は、「システムインテグレーター(SIer)」として、システム開発からインフラ構築、AI導入まで多岐にわたるIT事業を展開しています。2025年6月、同社は新たな成長戦略として静岡市に新オフィスを開設しました。今回は、取締役専務執行役員である後藤昌貴様に、静岡進出の狙いや自治体のサポート体制、そして今後の展望についてお話を伺いました。
システム開発から最新技術まで一貫提供
当社はいわゆる「システムインテグレーター(SIer)」のジャンルに属する会社です。当社では、お客様のビジネスをITの側面から支え、システム開発やITインフラの構築、さらには導入後のシステム運用まで、一貫したサービスを提供しています。これら従来の業務に留まらず、近年の急激な技術革新や市場の変化に合わせ、現在はさらに一歩踏み込んだ領域にも注力しています。具体的には、セキュリティ対策の導入支援、業務効率化や新たな価値創造を実現するアプリケーションの提供、そしてお客様のソフトウェア品質向上のために第三者として検証するソフトウェアテストといった分野等に対応しております。
東海エリア強化と人材採用を見据えた静岡拠点
静岡オフィスは、2025年6月に新たに開設いたしました。この進出の大きなきっかけとなったのは、行政との継続的な対話と連携です。以前から静岡市とは、地域の活性化や産業振興について、さまざまなコラボレーションの形を模索してきました。「デジタルの力で静岡市をもっと盛り上げよう」という共通の目標を掲げる中で、その意志を具現化し、地域に深く根を下ろすための第一歩として、この地に拠点を構えることを決断いたしました。
これまでの全国における拠点展開の流れを振り返ると、実績豊富なIT企業で浜松市を拠点とする株式会社ソフィア(後のテクバン株式会社東海支社)を当社のグループに迎え入れ、同社と共に浜松エリアを盛り上げてきたという経緯があります。その後、「福岡にもオフィスを作りたい」というニーズが生まれたため、福岡事業所を開設しビジネスを展開することとなりました。次に、北の拠点として青森県青森市にもオフィスを開設しました。
こうして日本の東と西、両サイドの拠点をしっかりと押さえた上で、満を持してその中心に位置する「東海エリア」の強化に着手した、というのが現在の状況です。
浜松市に拠点を持ちながら、あえて静岡市にも新オフィスを開設したことには狙いがあります。私自身、元々は静岡県外の出身のため、静岡県は東部・中部・西部で異なる県民性や文化を持っているとリサーチを重ねる中で知りました。そのため「同じ県内でも、生活圏や就職活動の範囲が分かれている」という仮説を立てました。つまり、静岡県内で優秀なIT人材を募るためには、浜松市だけでなく、静岡市にも拠点を置くことが重要だということです。
また、採用面におけるテクバンというブランドの役割も重要です。東京に本社を置くテクバンが地方に直接オフィスを構えることで、就活生の皆様に企業規模の安定感と、住み慣れた土地で暮らしながら最先端のプロジェクトに携わるチャンスの両方を提示できます。これにより、静岡エリアのエンジニア志望の方々が安心してキャリアをスタートできる環境を整えられたのではないかと考えています。
手厚い伴走支援が採用に直結
今回の進出にあたり、静岡市からは進出の最大の目的である「採用面」と、「オフィス環境の整備面」という大きく分けて二つの側面で、非常に手厚いサポートをいただきました。県外の企業である私たちにとって、未知の土地への進出には少なからず不安が伴います。しかし、職員の方々が静岡市の魅力やビジネス環境について非常にきめ細かく情報提供してくださったことは、何よりも心強いものでした。
まず一つ目の採用面ですが、強力なバックアップをいただきました。地元の教育機関をご紹介いただき、先生方や教授の皆様との接点を作っていただいたことは、私たちだけでは成し得なかった成果です。単なる求人票の提出に終わらず、学生にとって身近な存在である先生方に当社の事業内容やビジョンを直接お伝えできる機会を、官民一体となって構築できたことは静岡市ならではの支援の形だと思います。実際、このご縁を通じてご紹介いただいた学生さんのうち、すでに1名が当社への入社を決めてくれました。
加えて二つ目の環境整備面においても、オフィスを構える最適なエリアについての知見がなかった私たちに対し、物件の調査から実際の現地視察まで、職員の方が同行して案内してくださいました。一つひとつの心配事を丁寧に解消してくださったことで、非常に頼もしく感じたのを覚えています。
好アクセスと若手人材が豊富な環境
静岡市というまちには、IT企業が成長していく上で非常に優れた条件が揃っていると感じています。まず地理的な側面として、東京からの距離が近いことが挙げられます。新幹線一本でアクセスできるため、本社との連携や役員の往来も極めてスムーズです。そして何よりも魅力的なのは、人材の宝庫であるという点です。静岡市内および周辺には大学や専門学校が多く、将来性のある若手人材が豊富に存在します。
政令指定都市として人が集まる環境でありながら、適度な落ち着きもあり、長く腰を据えて働きたいと考えるエンジニアにとっては理想的な土地柄ではないでしょうか。実際に、当社の採用活動は非常に好調で、2026年4月入社の新卒社員がすでに5名確定しています。
3年で東海エリア200名体制へ。ITで盛り上がる街の実現を
テクバン株式会社としての今後の目標は、まずこの東海エリア全体で、社員数200名体制を構築することです。現在は東京本社が主導する形ではありますが、東海支社の責任範囲において、しっかりと地域に根差した組織作りを進めていきます。200名体制のうち10%〜15%程度は、この静岡エリアで確保・育成していきたいと考えています。まずはこの目標を、今後3年程でクリアしていくことを目指しています。
静岡の企業の皆様のIT活用を、私たちの技術力で力強く支えていくことで、静岡市が「ITで盛り上がる街」となる一翼を担っていければ幸いです。
